赤霧島定価
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null いや、わたしの心の奥底がゆれた。  なんだ? 思わず真をふりむく。 「いま、ヘンな感じがしませんでした?」 「酔いがまわったんじゃないのかい?」  真の口元にバカにしたような笑みが浮かぶ。 「きみもそろそろひとりに慣れるべきだろう。自立というやつさ。おれがやったことは、きみの時間を早めただけだ。いずれこの時はきたのさ。おれたちの時代がな」  自己中心的ないいぐさに殺意さえ感じていいはずだった。なのに、なにも思わない。  なにかがいまおきたのだ。それがどんなものかはわからない。ただ、はっきりと確信を持っていえることは、綾人がかかわっているということだ。  なぜなら、胸から腹にかけて熱いものが走ったからだ。いまわしい形をとって。  時計が六時半の時報を打った。 [#改ページ] 断章15 エルフィ・ハディヤット  ロックオン!  開いたバウスガザルの砲口にプラズマ粒子がきらめき、それが塊となってエイみたいなドーレムにむかって撃ちだされる。  プラズマの奔流がドーレムにたたきつけられる。  ドーレムの悲鳴さえ、高温のプラズマ流に溶けあった。