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null 桂木は、今にも落ちそうになった葉巻の長い灰を見つめながら不敵に微笑した。 「それで?」 「私は下水道を通って基地の下にもぐりこんだ。そして、基地のなかの補給倉庫の底に向けて、もっともらしくそこからトンネルを掘っておいた。倉庫の床には薬品を使って、人が楽にくぐり抜けられるぐらいの穴をあけておいた」 「なかなか、やりますね」 「その倉庫にはボイルド・チキンの|罐《かん》|詰《づ》めが入った大きなダンボール箱が積まれているから、床にあけた穴は倉庫のほうからは見えない。しかし、あの倉庫に出入りできる者が罐詰めのダンボール箱を脇にどかしたら穴は見える。もっとも、トンネル側からならダンボール箱に関係なく、すぐに見えるがね」  桂木は言った。葉巻の灰が落ちる。 「つまり、基地のなかの誰かが、罐詰めのダンボール箱をどかして、その床の穴とトンネルを通って下水道に降りることは不可能でない、と見せかけたんですね」 「そう。捜査の目を基地のほうにそらせるためにな」 「基地の捜査となると、日本の警察は苦労するでしょう」  若林は呟いた。 「|勿《もち》|論《ろん》だ。知っての通りに、私にはそれが|狙《ねら》いなんだ」 「これで、ますます俺たちは安全圏内にいるという実感が|湧《わ》いてきた」  若林は笑った。  そのとき偶然にも、ラジオの臨時ニュースのアナウンサーが、 「九十二億円を強奪された大海銀行立川支店の事件を調べている警視庁特別捜査本部は、銀行の地下二階の資料室のコンクリートの床に隠し|蓋《ぶた》が切ってあるのを発見し、パワー・カッターでその床を掘ったところ、資料室の下にトンネルがつけられていることが分りました。  床を切って作られた隠し蓋は大型のジャッキで支えられており、トンネルは下水道につながっていました。  その下水道をたどっていったところ、別のトンネルを発見し、そのトンネルは立川基地内のK18補給倉庫の中に続いていました。  警視庁は犯人たちは基地で働いている米兵か日本人労務者と断定し、米国関東地区空軍憲兵隊ならびに米国太平洋空軍特別犯罪調査部に共同捜査を申しこみました。