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null 音を立ててすすってみると、微かに番茶の味がするぬるま湯にすぎなかったが、孝夫はいかにもうまそうに口元を引き締めて飲んだ。湯飲みを唇につけたまま助けを求める顔をしていた美智子も孝夫の真似をして急いで奇妙な笑顔を造った。 「おせいさんがだめになったのはいつの頃だったでありましたかなあ」  おうめ婆さんはぬるま湯をいかにも熱そうに一度吹いてから、喉に音をさせて飲み込んだ。まるでビールの一気飲みのように、艶の出た万古焼《ばんこや》きの湯飲みを口にあてたまま曲がった腰を三十度ばかり起こし、あとは顎を突き出して飲み干したのだった。  孝夫と美智子はほとんど感動を覚えながら互いの顔を見つめ合った。これだけまずい茶を、これほどまでうまそうに飲んで見せる人には出会ったことがない。それと、山仕事のあとなのか、手拭いで首の汗を拭きながら必死に水分を補給している老婆の姿には、山の中でしぶとく生きる野生動物のたくましさすら感じられたのだった。二人は久しぶりに愉快な気分になった。 「祖母が死んでもう五年になります。八十一歳でした」  孝夫は半身になっておうめ婆さんの方を向いた。 「お葬式はよく晴れた日だったわね」  美智子が前方に幾重にも重なる山脈にまぶしそうに目をやった。 「おせいさんはわしより十も若かったでありますよ。苦労が身に付いた人だったでありましたなあ」  おうめ婆さんも美智子の脇の下からのぞき見て、川向こうの低い山の中腹にある集落の墓地に向かって手を合わせた。 「そうすると、おうめさんは九十六歳になるんですか」  孝夫は言ってみてから驚いた。  丸みを保つ頬にはまだ艶があり、春の午前の陽を反射する目は活きいきとして声にも高音に独特の張りがある。極端な腰曲がりを別にすればとても九十歳を過ぎた老婆には見えない。小学生の頃、祖母に連れられて来て会ったことのある阿弥陀堂のおうめ婆さんの残像となんら変わったところはなかった。 「九十六だか七だか、わしにもよく分からねえでありますよ。数えで九十八にはなってると思うでありますが。九十を過ぎてっからはめんどうで歳を数えることもなくなったであります。人が言ってくれる歳がわしの歳だと思うことにしているであります」  おうめ婆さんは話しながら、孝夫が畳の上に置いた湯飲みに新たな茶を注いでくれた。  孝夫は左手に持ち続けていた茶の包みを思い出し、 「これ、つまらないものですがごあいさつのしるしに」  と、差し出した。