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2015-02-07 08:21    二つ折り財布型紙
 カルチェ・ラタンの連中は、相変わらず、ままごとが好きだな。他ならぬ自分の若かりし頃を思い出しながら、なおのことフランソワは苦笑を禁じえなかった。ここで侃々諤々《かんかんがくがく》論じたところで、なにがどうなるわけでもない。どんなに精緻に積み重ねたところで、それは議論のための議論でしかない。  フランソワが中座を切り出しあぐねるうちに、ソルボンヌ学者の副学監と、これに師事する三人の学生たちは、小さな紙片を取り囲んで、それぞれの剃髪《ていはつ》頭を寄せ合っていた。人けのない聖堂が、俄に講義室に変わったようでもある。まずは最初の二点を考えてみましょう、とジョルジュ先生がクエスチオ(命題)を提出した。それはディスプタチオ(討論)という形の講義だった。  プリモ(一)、精神上の近親結婚の疑い。  セクンド(二)、四親等の自然なる近親結婚の疑い。 「近親結婚の嫌疑が持ち出されるところは、まずは基本通りといえますね」  物怖《ものお》じしない学生ミシェルが口火を切った。いうまでもなく、キリスト教徒にとって近親相姦は許されざる罪である。知らずに結婚してしまったが、後日に肉親であったことが判明したので、もう夫婦でいることができない。残念ながら、それは間違った結婚だったのだ。そうした論法には、離婚裁判に典型的な精神が覗いていた。  このとき、オルレアン公ルイはブルターニュ方に与《くみ》して戦っていた。しかも、こちらもルイ十一世の崩御を好機として、すでに離婚の訴えをなしていたというのである。 「この後、シャルル八世はオルレアン公ルイを三年間、ブールジュの大塔に投獄しています。この幽閉のために、今日まで離婚の訴えを起こせないできたのだと、原告側は不自然さを説明したい模様なのです」 「やはり、強制だ。なによりの証拠だ」  と、学生ロベールは拳《こぶし》を強く握って受けた。どうやら、ルイ十二世に勝たせたいらしい。贔屓《ひいき》というわけでもあるまいが、議論のための議論なれば、どちらかを応援することになってしまうのだ。恐らくはパリからの道中で、さんざんやりあってきたのだろう。ジャンヌ・ドゥ・フランスを応援するライヴァルと、呉越同舟というわけだ。学生ミシェルは、やはり折れようとしなかった。 「しかし、ルイ公は釈放されているんだろ。え、フランソワ、どうなんだ」 「ああ、九一年に釈放されている。ジャンヌ公妃は弟王の足許に縋って、夫の罰の軽減を懇願したらしい。その運動が実って三年の幽閉で済んだともいわれている」 「ほらみろ、ほらみろ。ルイ公だってジャンヌさまを必要としていたんだ。実際、ルイ十一世の治下では名だたる公が何人も粛清されているんだぜ。損得以前に生き残るため、王家との姻戚関係は欠かすことができなかった。結婚の同意はあったってことなんだよ」 「ミシェルなりに、八番目の争点にも答えを出しましたね。そうすると、ロベールのほうは、なにか反論がありますか」 「はい、先生。まあ、外堀を埋めるという意味では、ミシェルの理屈にも一理あります。が、あくまで状況からの類推にすぎない。本当に結婚に同意していたかどうか、それは直ちにはいえないと思います。やはり確たる証拠が得られないからには……」  学生が言葉を尻つぼみにしたのは、フランソワの目を気にしたからだった。また説得力が弱いといわれるのではないか。様子に気づいて、弁護士は皮肉顔で無精髭を掻いた。個人攻撃と取って萎縮《いしゅく》されては困る。それでは、まともな議論などできないだろう。まあ、伝説の男とやらに祀り上げられてるんだ。ほんの戯言が大きく聞こえて当然か。ああ、その通りだと、フランソワは作った笑顔で痩せた学生の理屈を認めてやった。 「結婚の同意の有無を争う。ジャンヌ王妃が抗戦の意思を表明したからには、それこそが裁判の具体的な争点になるだろう」  いちいち議論するまでもない。外堀というなら、他の七争点は全てが外堀の意味しかない。はじめから、八番目の争点だけが重要なのである。こちらはこちらで希望を見出し、学生ミシェルは童顔を無邪気に輝かせていた。