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2015-02-07 07:56    prada 二つ折り財布
 誰もが名前を知っている大手広告代理店に勤務しているといっても、所詮《しよせん》、夫はサラリーマンに過ぎなかった。5年前、結婚と同時に購入したこの家だって、住宅ローンがまだ30年も残っている。  夫の啓太《けいた》は末っ子だったが、姉がふたりいる長男なので、行く行くは福井から両親を呼んで同居するつもりでいるらしい。まだまだ先のことだとは思うが、その時のことを考えると、今からうんざりしてしまう。  かつて玲奈と同じファッション誌で一緒にモデルをしていた女たちの何人かは、啓太の何十倍も収入のある裕福な男と結婚し、家計のやりくりのことなど考えることもなく大邸宅で優雅な暮らしを満喫していた。何人かは誰もが知っている有名人や文化人や著名なスポーツ選手と結婚して派手な生活を楽しんでいたし、何人かは今もモデルやタレントやレポーターとしてテレビや雑誌にさかんに登場していた。何人かは女優に転身して映画やドラマに出演していたし、何人かは絵画や文筆や料理や園芸やインテリアデザインなどの分野に進出して活躍していた。それなのに、今の玲奈は……ただの専業主婦として家で家事をこなしているだけだった。  それを考えると、自分だけが取り残されてしまったような気がした。  わたしは夫を愛している。玲奈はそう思っている。けれど……製菓メーカーのコマーシャルに出演した時に知り合った8つ年上の啓太と22歳で結婚し、あっさりとモデルを辞めたという自分の選択が正しかったのか間違っていたのか——今でははっきり言って自信が持てなかった。  今でも時々、路上などで見知らぬ人から「あの……モデルの橘《たちばな》玲奈さんじゃないですか?」と声を掛けられることがある。そんな時は微《かす》かに自尊心がくすぐられる。  自分にはもっとほかの生き方があったのではないだろうか? もっとほかの可能性があったのではないだろうか?  そんなことを思いながら……玄関のたたきに踵《かかと》の高いサンダルを脱ぐ。 「翔太《しようた》。いったい何をしてるの?」  まだ子供部屋でぐずぐずしているらしい長男に、階段の下から大きな声を掛ける。「まさか、まだ寝てるわけじゃないでしょうね?」 「起きてるよ。今行くよ」  2階から長男の寝ぼけたような声が響き、玲奈は「早くしなさい」と言うとリビングダイニングキッチンに向かった。  広々としたリビングダイニングキッチンには、朝食の匂いが充満している。レースのカーテン越しに朝日が差し込み、窓辺に置かれた観葉植物の葉を強く光らせている。  いつものように玲奈は椅子に腰を下ろし、朝食の皿の並んだテーブルをぼんやりと見つめた。  ふと、両手を見る。  今も手はそんなには荒れていない。けれど、家事をしなければならない今では、モデルをしていた頃のように長く爪を伸ばすことも、鮮やかなマニキュアを塗り重ねることもできなかった。  せめてお手伝いさんがいれば、昔みたいに爪を伸ばせるのに……。  けれど、今の啓太の経済力では家政婦を雇うことは難しかった。