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null「ははあ、フランス皇帝も」  伊東は、近藤の飛躍におどろいた。第一、フランス皇帝うんぬんをもちだすことからして|攘夷《ヽヽ》的《ヽ》ではなく、幕府のなしくずし開国外交に同調している証拠ではないか。 「土方さん」  伊東は視線をゆっくりまわした。 「あなたはどう思われます」 「おなじさ」  面倒くさそうにいった。 「なにと?」 「ここにいる近藤勇と、ですよ」 「佐幕、ですな」 「さあ、どんな言葉になるのかねえ。私は百姓の出だが、これでも武士として、武士らしく生きて死のうと思っている。世の移りかわりとはあまり縁のねえ人間のようだ」 「つまり、幕府のために節義をつくす、それですな」 「それ」  一言、いった。  あとは、なにもいわなかった。こういう時勢論や、思想論議は、あまり得意なほうではない。  夜が更けた。  両論対立のまま、別れた。